子猫物語

海育ちの僕の少年期の思い出・・どこかで子猫の鳴き声・・押入れの奥に生まれたばかりの猫・・大正生まれの母親にいわれるまま、さかなを入れるトロ箱に生きてる子猫と死んでる子猫を入れ海へ・・何匹だったろう?よく覚えていない・・・防波堤に向かう途中で友達と出くわす・・「かっちゃん 何しよん?」と訊かれ「この猫、海に捨てにいくんよ。かあちゃんに言われたけ・・」そして僕らは 防波堤の先の方に行き、フジツボやフナ虫を気にせず海面に接するところに降り、しずかにトロ箱を沖に流した・・うまく流れに乗ったそれは 沖へ沖へ・・それから僕らは 石ころを拾い、はしゃぎながら そいつに向けて投げつけた。ある時はダンボールだったり、満ち潮のため 岸に戻ったりしたこともあった。なんて残酷なと?・・タヒチの物書きの女性に共感してる訳ではないです。あの頃は ごく普通のことでした。