まだ電話がわが家に無かった頃、近所に電話を借りに行ったり、遠方からの電話をお願いし、呼びだしをお願いしたり、呼び出されたり・・ある時は早朝だったり深夜だったり・・
玄関をたたく電報屋さん、「電報です」という声に親達が何かしらと、吉報か訃報かと浮かぬ様子をしながら対応していたのを記憶している。
あれから四十幾年・・・
この頃は、自宅の電話が鳴るとびくつくようになった。なにせ携帯やPC全盛、電子書籍に3D映像も普通なこの時代、めったになることのなくなった自宅の固定電話だけに訃報かと・・一瞬脳裏をよぎる
新緑の季節がまばゆく、観光客の往来する明るい昼下がりに、ふとそんなことを思った・・